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タムラサトル

Tamura Satoru, <em>Point of Contact for Unna</em>, 2017, mixed media, dimensions variable, Photo: Frank Vinken | dwb
Tamura Satoru, Point of Contact for Unna, 2017, mixed media, dimensions variable, Photo: Frank Vinken | dwb

1972年栃木県生まれのタムラサトルは、1995年に筑波大学芸術専門学群総合造形領域を卒業し、現在も栃木を拠点に活動しています。タムラの作品には、電気という現代文明に欠かせないもの、いわゆる社会インフラ(インフラストラクチャー)が使われています。ときには動力となってワニを回し、ときには計測器となって美を数値化し、そしてあるときはプラスとマイナスの電極をギリギリに接触させてランプを灯します。「だからなんだ?」と思わずつぶやきたくなるアイロニーに満ちたこれらタムラの作品は、大がかりな‘装置’であるゆえに遊園地を思わせます。それは作家がいみじくも語る「素材・形態がもつであろう意味・設定・目的からも、自由でありたい」を具現化しており、作品を通してタムラが訴えるところなのです。
電気があまりにも生活に、産業に深く入り込み、私たちはそれがもはや所与のものと感じています。ひとたび停電ともなれば、いかに電気に依存した生活を送っていたかがわかる今日。これほど社会に欠かせない有用な電気を、何も生み出さない、なんの役にも立たない無用なものとして、彼はシニカルなユーモアを交えて作品にします。タムラの作品は、まさに見ること以外の用途を禁じたファインアートそのものであると同時に、有用性のみが優先する社会に警告を発するのです。
近年の主な個展に「無目的な機械 AIMLESS MACHINE」DH Neology(台南、2024年)、「Hi, Kumi. Hi, Mike.」さいたま市プラザノース ノースギャラリー(埼玉、2024年)、「1トンになる タムラサトル」栃木市美術館(栃木、2022年)、「ワニがまわる理由(ワケ)は、聞かないでほしい」MAKI Gallery(東京、2022年)、「ワニがまわる タムラサトル」国立新美術館(東京、2022年)がある他、東京都写真美術館、DIC 川村記念美術館、MoMA PS1、シドニー現代美術館、釜⼭市⽴美術館をはじめとする美術館でのグループ展にも精力的に参加しています。さらに、2017年 International Light Art Award 2017 First Prize 受賞、2009年 第12回岡本太郎現代芸術賞展(TARO賞)特別賞、2002年 フィリップ モリス K.K. アートアワード 2002「ザ・ファースト・ムーヴ」特別賞、1999年 KIRIN CONTEMPORARY AWARD 1999 奨励賞など多数の受賞歴があります。

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