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アリ・マルコポロス

アリ・マルコポロスはオランダ、アムステルダム生まれ、ニューヨーク、ブルックリン在住。1979年にニューヨークに渡って以来、マルコポロスは第一線で活躍するアーティストやミュージシャン、スケートボーダーやスノーボーダー、そして何よりも一貫して、日々の生活の中で出会った人々や場所を写真、映像作品を通して表現し続け、非常に多様な作品を生み出しています。マルコポロスは作品において被写体に対する明らかな感情的共感を示すことはほとんどなく、短絡的なアイデンティティの表現を助長したり、若者の自由を美化したりすることもありません。彼の直接的なポートレート、そしてその場の情景を豊かに切り取るスナップショットは、日常の中の美しさや不安が表出する瞬間を捉え、マルコポロス曰く「ただそこに生きた人生そのものの表現」として存在します。
 
マルコポロスは自身の写真家としてのキャリアを、アンディ・ウォーホルのスタジオでのモノクロ写真の印刷業務、そしてアーヴィング・ペンのスタジオアシスタントからスタートしました。ウォーホルの被写体を限定しないアプローチと、ペンの研ぎ澄まされた技術、洗練された美的感覚が稀有な形で融合し、現在のマルコポロスの作家としてのあり方に影響を及ぼしています。
 
作家として活動し始めた初期の頃、マルコポロスはニューヨークのローワーイーストサイドにあるAlleged Galleryで多数の作品を展示しました。Alleged Galleryは、アメリカの映画監督、キュレーター、作家のアーロン・ローズが1992年に始めたギャラリーです。Alleged Galleryは、多くのストリートアーティストを紹介し、当時のファインアートとその定義から外れた様々な表現に大きな区別はないことを世の中に示しました。またその活動は、若いアーティストたちが集まることで生まれる、一時的にしか表出せず捉えどころのない概念や事象を作品として具体化する方法を生み出してきました。それ以来、マルコポロスの作品は、ホイットニー・ビエンナーレ(ニューヨーク)、MoMA PS1(ニューヨーク)、ニューオーリンズ美術館(ルイジアナ州ニューオーリンズ)、バークレー美術館(カリフォルニア州バークレー)、Foam写真美術館(アムステルダム)などで展示されています。
 
近年の主な個展には「Upstream」Kunsthalle Sankt Gallen(スイス、ザンクト・ガレン、2022年)、「Time Motion」Archive/Project Space(マサチューセッツ州ピッツフィールド、2021年)、「#PUNK nora chipaumire」galerie frank elbaz(テキサス州ダラス、2021年)、「Into the Now」galerie frank elbaz(パリ、2020年)、「Ari Marcopoulos. Films. Photographs.」Fergus McCaffrey(ニューヨーク、2019年)、「Ari Marcopoulos. 3 Films. 3 Photographs.」Fergus McCaffrey(東京、2019年)があります。またマルコポロスの作品は、バークレー美術館、デトロイト美術館、Frac Grand Large — Hauts-de-France、ヴィンタートゥール写真美術館、ニューオーリンズ美術館、サンフランシスコ近代美術館、ホイットニー美術館などのコレクションに含まれています。
 
マルコポロスは200冊もの書籍や限定版個人誌を制作しており、その中には『Ari Marcopoulos: Zines』(Aperture、2023年)、『Epiphany』(IDEA、2016年)、『Not Yet』(Rizzoli、2016年)、『Rome-Malibu』(Roma、2016年)、『Out to Lunch』(PPP Editions、2012年)、『Fumes』(Karma、2015年)、『Directory』(Nieves/Rizzoli、2011年)、『OUT & ABOUT』(Damiani Editore、2005年)があります。

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