MAKI
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Art Fairs

Art Collaboration Kyoto 2025

Shiori Tono, Yoru no taiyou, 2025, oil on canvas, 116.7 x 91.0 cm

このたびMAKI Galleryは、京都で開催されるアートフェアArt Collaboration Kyoto(ACK)にSow & Tailorと共同出展いたします。ブースでは、ロサンゼルスを拠点に活動するエリン・ライトと大分県を拠点に活動する塔尾栞莉による2人展を行います。絵画を主な媒体として制作を続けるこの2人の作品は、日常のありふれた仕草や物事を詩的な思索の契機へと昇華させる力を備えています。

エリン・ライトは静物画の系譜を受け継ぎながら、3DCGを髣髴とさせるような、異様なほどの精密さと滑らかな画面を特徴とした作風で知られています。彼女は“無関心”をテーマに、自身の存在を示唆するような跡を一切残さないよう、筆を緻密にコントロールしながら制作します。今回の出展作品は、現代を生きる独身男性が日々ひそかに行う身支度の儀式と、盆栽の育成に通ずる規律や自制心、そして美的管理の意識を対比した比喩を用いています。ライトは、慎重な手入れと調整によってつくられていく樹形と同様に、個々の人間もまた、趣味嗜好やアイデンティティ、魅力の基準といった目に見えない枠組みによって形成されていることを指摘します。こうして生み出される“かたち”は常に変容しており、有機的な本質とソーシャルパフォーマンスが複雑に絡み合った状態で存在しています。

塔尾栞莉は、ふとした時によみがえる記憶の儚さと捉えどころのなさを作品の中心に据えています。昔の家族アルバムや自身で撮影した写真をモチーフとして引用し、幼少期の大切な思い出から、日常生活でのささやかな気づきまで、さまざまなストーリーが込められた瞬間を描いています。私たちの記憶は、日々脳内に積み重なる情報に押し潰され、まるでデジタル画像の劣化のように断片化していきます。塔尾はこの普遍的な現象に向き合うため、自身の脳内に残る断片を拾い上げ、グリッド状に区切られたキャンバスのマス目をひとつひとつ丁寧に抽象画として再構築します。完成した画面を遠目に眺めると、それは一つの歪んだ光景でありながら、どこか懐かしく、親しみのある風景として浮かび上がります。

ブースGC06にて、皆様のご来場を心よりお待ちしております。

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