MAKI
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Exhibitions

マリウス・ブルチーア

Installation view, artwork: Marius Bercea

このたびMAKI Galleryは、ルーマニア人アーティスト、マリウス・ブルチーアによる個展「Shadow of Others」を表参道ギャラリーにて開催いたします。高く評価された2021年の個展以来となる日本での展示に際し、歴史、記憶、アイデンティティの概念を一層深く考察する最新作を発表します。

ブルチーアの作品はフィクションと現実、華やかさと脆さ、記憶と忘却が交錯する場を生み出し、歴史への眼差しと自伝的表現の両方を兼ね備えた問いを投げかけます。展覧会名と同じタイトルを冠した作品「Shadow of Others」において作家は、ルーマニアという国家の歴史的な立ち位置を考察し、周縁性という概念を描き出します。絵画に登場する人物たちは海辺で陽光を浴びて楽しんでいるかのように見えますが、植物や日除けが彼らを部分的に覆い隠し、その姿は風景の中に溶け込んでいます。

ブルチーアにとって絵画は、美術史、文学、映画、音楽、そして旅との絶え間ない出会いを原動力とする日々の実践です。自身の創作空間における終わりなき探求を通して、彼の作品は絵画の無限の可能性を体現し、社会的・政治的な問題と個人的な経験の間を行き来しながら展開されています。喚起的かつ重層的な表現で観る者を歴史や記憶、そしてアイデンティティに対する深い洞察へと誘う本展を、どうぞこの機会にご高覧ください。

田村琢郎

Installation view, artwork: Takuro Tamura

このたびMAKI Galleryは、田村琢郎の弊社で2回目の個展「Uncertain Romance」を天王洲ギャラリーにて開催いたします。本展において田村は、「人生ゲーム」のモチーフを大胆に変容させることで、人生の複雑さを象徴する複層的なメタファーへと昇華させた新作を発表します。

ゲーム内で個々のプレイヤーを表すプラスチック製のペグを巨大化させた「Nomadic Pegs」シリーズ。約200点のデフォルメ化された旗の彫刻で構成された「Flagment」シリーズ。延々と回り続けるルーレットのまわりにマス目が始点も終点もなく絡み合う「Whence? How? Whereto?」シリーズ。プレイヤーに明確な目標や課題が提示される本来のゲームとは反面に、田村の作品は情報過多の現代社会における無限の選択肢と、未知の未来を体現しています。作家は、人生の不確定性を積極的に受け入れ、自らの関心や感情、目的さえも常に変化し続けるものと捉えており、その曖昧なカオスの中にこそ美を見いだしているのです。

田村は、身近なものを本来の役割から切り離し、ときにはまったく無用なものに変えてしまうことで、観る者の固定観念を覆し続けています。現代社会の構造や規範、通念を鋭く批判しつつ、この予測不可能な世界に潜む驚きと魅力に目を向けるよう、観る者を真摯に促す作品の数々を、ぜひ会場にてご高覧ください。

塔尾栞莉

Installation view, artwork: Shiori Tono

MAKI Galleryではこの度、大分を拠点に活動する塔尾栞莉による個展「なんでもない」を天王洲ギャラリースペースにて開催いたします。

本展では、塔尾が日常の中で出会った些細な風景や出来事を写真に収め、それをモチーフに制作した作品を展示いたします。アルバイト先でおすそ分けしてもらったクリスマスケーキ、誰の気にも留められず、時間の経過とともに静かに佇む植木鉢、太陽の光に照らされて輝くユーカリの葉。それらは決してドラマティックな題材ではないかもしれませんが、だからこそ宿るかけがえのない愛おしさがあります。

目の前の風景や出来事を一つひとつ丁寧に描きながら、過ぎ去る時間とともに変容していくイメージ。その積み重ねが、私たちが生きる「今」そのものを浮かび上がらせます。本展の作品は、そうしたなんでもない瞬間にそっと光を当て、忘却の彼方へ沈みかけた記憶をやさしくすくい上げます。ふと立ち止まり、過ぎ去っていく日々のかけらに思いを馳せる。そんな時間を会場にてどうぞご体験ください。

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